この記事の流れ
どうも、Yuto(@Just_Yuto)です。
マレーシアで留学中なので、ムスリム(イスラム信者)の方と接する機会が多いです。
そこで今回は、マレーシアの国教である"イスラム教"について。
最低限おぼえておきたいポイントのみをまとめました!
この記事を読む事で、イスラム教およびムスリム(イスラム教信者)の概念が分かると思います。
では、早速本題に入りましょう。
今回は、哲学と宗教全史という書籍を参考にしつつ紹介します。
参考書籍
基本情報:イスラム教とは?
まず、イスラム教を理解する上で必要な情報をざっくりと。
(すでに分かる方は、読み飛ばしてもOKです)
ますイスラム教は、唯一の神アッラーを信仰した宗教です。
「この世の神はアッラーだけだ!」といった姿勢。
そして、神から言葉を託された最後の預言者ムハンマドは、イスラム教では欠かせない存在。
神(アッラー)が預言者(ムハンマド)に言葉を託す→預言者が人々に神の教えを説く
分かりやすくまとめると、こんな感じですね。
そしてムハンマドの死後、彼が生前に書き上げた書記を信者がまとめた教典「クルアーン」は、神の言葉そのものとして、信者の生活や思想を大きく規定します。
この三つのキーワードは、ぜひ覚えておきましょう。
イスラム教徒に求められる5つの義務
イスラム教徒には、下記の5つが義務として課せられています。
これだけ見ても分かりづらいので、一つずつ解説していきましょう。
「アッラーフが唯一の神で、ムハンマドが預言者です」
と宣言する事。
この信仰告白をすれば、誰でも信者になれます。
礼拝(サラート)
1日に5回、決められた方角に向かって礼拝をします。
礼拝中は、コーランを読み上げた音声を流します。
日本でいうところのお経ですね。
決められた方角とは、ムハンマドの誕生した聖地である、マッカのカアバ神殿の方角。
礼拝時間は、ざっくり下記の通り。
1.夜明け前、2.正午、3.午後、4.日没後、5.就寝前
参考:国立民族学博物館
預言者ムハンマドはアラビア人。
その為、コーランはすべてアラビア語表記。
そして、現代でも教典はすべてアラビア語で読まれています。
「神の言葉を翻訳するなんて絶対ダメだ!」という信仰上の理由。
しかしこれにより、世界中のムスリムがアラビア語で基本的なコミュニケーションが取れます。
結果、より布教しやすい宗教になったと考えられます。
喜捨(ザカート)
"お金に余裕がある人は、貧しい人に恵みなさい"という教え。
これにより、イスラム信者は「持てる者は持てない者に分け与えるべきだ」と考える人が多いです。
路上の物乞いにお金を渡す習慣?
マレーシアでは、物乞いを必ず目にします。
カラダの不自由な人が多く、路上に座り、通行人からの喜捨を期待している様子。
これはぼくの感覚ですが、イスラム教のマレーシア人はよくお金を恵んでいるのです。
きっと、この喜捨というルールが根付いているからでしょう。
断食(ザウム)
イスラーム歴の9月に、1ヶ月間の断食をしなくてはなりません。
これをラマダンと呼びます。
期間中は、食べ物も飲み物も一切禁止で、水すら飲めません。
しかし、これは日が出ている時間中の話。
日没後は飲食OKです。
巡礼(ハッジ)
(画像は、聖地のカアバ神殿)
「できれば一生のうちに一度は、聖地であるマッカのカアバ神殿に行って巡礼しなさい」
という教え。
"できれば一生のうちに一度は…"って、
断食や礼拝に比べてなんだかゆるいように思えますね。
以上の5つがイスラム信者全員に課せられた、義務になります。
続いては、"義務"ってほどお固くはないけど、大半のムスリムが守っているルールをご紹介します。
ムスリム女性は、公共の場で素肌や髪を出すことを禁じられています。
そのため、女性は下記動画のような服装をします。
www.youtube.com
頭に巻いているスカーフは、ヒジャブと呼びます。
しかしコーランには、「女性はヒジャブを着用しなさい」と行った記述は一切ありません。
「これ、預言者、お前の妻たちにも、娘たちにも、また一般信徒の女たちにも、(人前に出るときは)必ず長衣で(頭から足まで)すっぽり体を包み込んで行くよう申しつけよ。こうすれば、誰だかすぐわかって、しかも害されずにすむ。」
引用:ヒューライツ大阪(一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター)
「女性は人前で美しい部分を見せないように」と書かれているだけです。
ここでぼくのクラスメイトの女の子の話を。
彼女はバングラデシュ出身のムスリムですが、ヒジャブなどは被らず、ふつうに髪の毛を出して生活しています。
というのも、ヒジャブは義務ではない為、5つの義務だけ守るムスリムも一定数存在するみたいです。
イスラム教の聖地である中近東は、砂漠が多く乾いた気候。
そんな場所ですから、男性でも頭にターバンを巻きます。
つまり、ヒジャブは習慣から発展した合理的な衣装という位置付けです。
繰り返しになりますが、決して着用の義務はありません。
イスラム教における男女関係
イスラム教では、婚約者以外との接触は一切禁止しています。
キスどころか、手を繋ぐ行為すらNG。
しかし、ヒトというのは恋愛に興味がある生き物。
そのしがらみからか、マレーシアでは初婚の平均年齢が25.7歳と若いです。
参考:世界・女性の初婚年齢ランキング - 世界ランキング
「恋愛したいから結婚する」
といった感じでしょうか?
ぼくたち日本人にはない感覚です。
また、他宗教の信者がムスリムと婚約をする際は、イスラム教に改宗する必要があります。
イスラム教徒が飲み食いしてはいけないのはいくつかあるのですが、かならず覚えておきたいのが、下記の二つ。
ムスリムは、この二つを口にしてはいけません。
アルコールが禁止される理由
神(アッラー)『信仰する者たちよ、おまえたちが酔っている時には、言っていることが分かるようになるまで、礼拝に近づいてはならない。』(第4章43節)
引用:イスラム教における飲酒 - Wikipedia
"酔った状態だと信仰が弱まる"とみたアッラーは、酒を禁止しました。
豚肉が禁止される理由
“かれがあなたがたに、(食べることを)禁じられるものは、死肉、血、豚肉、およびアッラー以外(の名)で供えられたものである。”(クルアーン2:173)
引用:イスラームという宗教
神であるアッラーが「豚は不浄な動物だ!」と決めたら、それに従うのが信者。
なぜ不浄なのか、詳しい理由は言及されていません。
と言います。
豚肉とアルコールは高い
上記の二つは、若干高い値段で売られています。
また、スーパーなんかだと、レジが二つに別れている事もあります。
一つは、ハラール用で、もう一つがノン・ハラール用。
マレーシアで豚肉を買う際は、少し手間です。。
まとめ
という事で、以上にします。
今回は、宗教を一から十まですべて解説するのは大変なので、覚えておきたいポイントのみをまとめました。
上記4つを何となく理解しておきましょう。
では最後に、イスラム教をより深く理解したい方向けのオススメの本を紹介して終わります。
それでは!
哲学と宗教全史