人生逆転のマレーシア留学

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【外国人は僕だけ】イスラム教の家族と一週間過ごして気づいた、文化の違い3選【マレーシア留学】

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先日まで、マレーシアの北東にある港町トレンガヌ州で、一週間ほど滞在をしていた。

 

上記ツイートの通り。

有難い事に、仲の良いマレー系マレーシア人の友達が、「お母さんの実家があるトレンガヌへ里帰りする。だからお前もついてこないか?」と誘ってくれたのだ。

 

今回行ったトレンガヌ州は、人口の95%がイスラム教を信仰するマレー系マレーシア人を占めており、マレーシアで最もイスラムの色が色濃く残っている街だ。

 

 

 

後ほど詳しく書くが、今回は30人くらいのイスラム教であるマレーシア人の親戚と共に、たった一人の日本人である僕が、マレーシアで最もイスラム色の強い街で、一週間ほど滞在した。かなりレアな体験だったと思う。

 

はじめに:ムスリムは、イスラムの教えに沿って生活をする

ムスリムイスラム教徒)にとっては、思想から生活様式まで、イスラムの教えが中心だ。

 

これは、宗教をあまり信仰しない日本人には理解し難いかもしれない。

イスラム教って何?」と言う方は、イスラム教の特徴をわかりやすく紹介している以下の記事がオススメだ。

 

関連記事:イスラム教の特徴。ルールやタブーを分かりやすく【徹底解説】

 

例えば、「なんて自殺しちゃダメなのか?」と聞かれれば、日本人的な回答だと「周りの人が悲しむから」とか、「その先は良い事があるかもしれないから」といった具合に答えるだろう。

しかし、ムスリムにこの質問をすると、「自殺は絶対にダメ。なぜなら、天国にも地獄にも行けず、あの世とこの世の間で苦しみ続けるからね」と答える。

 

日本人が、「野菜は嫌い。肉は好き。魚も好き」と、自分の趣味嗜好で食べ物の好き嫌いを決めるけど、ムスリムは「豚と酒は絶対に口にしない。それはクルアーンイスラム教の聖書みたいなもの)に書かれているから」と、宗教に従って自分の食べる物を決める。

 

繰り返しになるが、ムスリムの生活や思想は、イスラム教の教えが中心にある事が多い。(もちろん人による)

 

 

 

ムスリムと過ごした一週間で気づいた、文化の違い3選

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一つずつ紹介します。

 

マレー系マレーシア人の食事事情

マレー系マレーシア人、すなわちムスリムには手食文化がある。箸やスプーンを使わず、手でご飯を食べるのだ。しかし、僕が見る限りでは、手で食べるのはマレー料理飲みであり、麺料理や日本料理、西洋料理を食べる際は、彼らも僕らと同じように箸やスプーンを使う。

 

今回のトレンガヌでの食事は、ほぼ全てマレー料理であった為、食事の度に彼らは手でご飯を食べていた。僕も、最初はすまし顔でスプーンだのフォークだの使っていたのだが、「あぁ、もうめんどくせぇや」と、最終的には彼らと同じように手で食べることにした。これが意外と慣れなくて難しい。友達の所作を真似て、見よう見真似で食べた。

 

ここで豆知識だが、イスラム教における手食文化には、大事なルールがある。

それは、左手を決して使わない事。なぜかというと、ムスリムは、トイレで用を足した後にトイレットペーパーを使うのではなく、左手で洗い流すからだ。

 

ムスリムにとって、左手は不浄のものとされているのである。食べ物を食べる時や握手をする時、人に物を渡す時は、キレイな右手を使う。これからイスラム教が国教である国に滞在予定の左利きの方は、ぜひ右利きに矯正する事を推奨したい。

 

以上のことから、ムスリムは食事中、右手だけを使い、器用にフライドチキンの骨を取り除いたり、魚の骨を取り除きながらご飯を食べる。

 

そしてマレーシア料理だが、これがめちゃくちゃ美味い。あれは、なんらかのドラッグが仕込まれているはずだ。そのくらい中毒性があり、美味いってことです。

 

 

マレー料理を食べたことのない人のために、マレーシアの代表料理「ナシレマ」のイメージを以下に載せる。

食品, ナシゴレン Lemak, アジア, マレーシア, マレー語, 皿, 食事, 辛い, サンバル

 

マレー料理は、上記のように一つのお皿にご飯やら、卵やら、肉やらソースが豪快に乗せられる。

サイドディッシュは、チキンや魚の揚げ物が多い。

 

東南アジアで一番の肥満率を誇る、マレーシア

「マレー料理は、脂っこくて美味しいから、マレーシア人は太ってる人が多い」と、僕の友人はよくジョークを言うけど、あながち間違いではない。

 

その証拠に、マレーシアの肥満率は、ASEAN諸国で最も高い。

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引用:Obesity on the rise in ASEAN | The ASEAN Post

 

気候が暑い為、体を動かす人が少ない。健康に関する意識づけが低い。

などといった理由も考えられるが、この美味しすぎるオイリーな食事が、マレーシア人の肥満率を高めている理由なのではないか?と個人的には思う。

 

個人的に、マレーシア料理は大好きだ。美味しいから、ついつい調子に乗って食べすぎてしまう。しかし、中にはマレーシア料理がヘビーで、口に合わない日本人だっているかもしれない。

 

ムスリムはよく寝る!「1日5回のお祈り」の弊害か?

日本人はまとまった睡眠を一度に取る。一方、ムスリムは、比較的短い睡眠を1日に何度も取るようだ。(もちろん、これも人によるのだが、少なくとも共に過ごしたムスリムはそうだった)

 

トレンガヌに滞在中、僕たちはだいたい、毎晩1時か2時くらいに就寝していた。家族、友達みんなで遠出しているのだ。テンションも上がる。出かけたり、映画を見たり、おしゃべりをしているとすっかり真夜中だ。多少の夜更かしはご愛敬。

 

日本人の僕らであれば、その時間帯に寝ると、朝はざっくり8〜9時頃には起床する。しかし、マレーシアのムスリムは、朝の6時前頃にはお祈りをしなければならない。だから、5時30分を過ぎたくらいのタイミングで、友達のお父さんが「おいみんな!起きろ!お祈りするぞ〜!」ってな具合で子供たちの部屋を回る。

 

1時に寝て、6時前に起き、お祈りをし、二度寝をする。8時くらいに起きては、外へ遊びに出かける。

 

長時間のまとまった睡眠が取れないし、しんどくないのかな?と僕なんかは考えるが、ムスリムはずっとこういった生活リズムなのだから、慣れている。

 

ムスリムの僕は、夜から朝までしっかり睡眠をとり、尚且つ、みんが昼寝をするタイミングで僕も一緒に昼寝をすると言う体たらく。相当リラックスした一週間を送った。たまにはいいよね。

  

まるで昭和の日本!マレーシア人は大家族&仲が良い

 

冒頭でも触れたが、マレーシア人は大家族だ。

 

今回僕をトレンガヌへ誘ってくれた友達は、兄が一人、姉が一人、妹が一人いる、四人兄妹だ。その友達のお母さんは、確か5人兄弟で、それぞれに3人以上の子供がいるとか。

だから、里帰りの際の人数は、物凄い事になる。子供の数の合計は、なんと29人!!

 

この友達に限らず、マレーシア人はたいてい大家族だ。子供は三人以上が普通。兄弟が四人、五人いる人だって割といる。

 

子供が多い、エネルギッシュな大家族は、まるで昭和の日本のようだ。少子高齢化核家族化が進む現代日本ではあまり見られないような光景がそこには広がっていた。

 

思え返せば、確かに僕のお婆ちゃんも兄弟が多い。これは僕の話だが、昔は、盆暮れ正月となると、多くの親戚が集まっていた。しかし、今ではそういった親戚同士の交流は薄い。これは、多くの日本人家庭でもそうではないだろうか。

 

遠くの街に住んだり、生活環境が変わる事で、次第に親族付き合いが希薄になる。

 

しかしながら、マレーシア人の家族観は日本の真逆だ。

大家族だろうが、遠くの街に住んでいようが、決まった時期に親族一同で集まって、交流を楽しむ。日本人は家族を大切にしない、という訳では無い。しかし、マレーシアの家庭は、日本以上に家族を大切にするし、仲が良いなあと思った。

 

家族観に対する、僕の見解

よくも悪くも、日本では一人で生きていく強さを求められる。

「実家暮らしはだらしがない」という価値観があるから、一人暮らしの学生やサラリーマンは吉野家で一人、牛丼を貪る。たまの休日は漫画喫茶。一人カラオケも今や当たり前。一人で何かをする事に、みんな慣れている。極め付けは、一席ごとにパーテーションで区切られたラーメン屋、一蘭。あれをマレーシア人に紹介すると、「なぜみんなでご飯を食べないの?」と驚く。

 

マレーシア人は、社会人になった後でも、実家暮らしが大半だ。それは、日本ほど給料が高くない為、一人暮らしとなると経済的に難しい、といった理由もあるだろう。しかし、それ以上に、家族を大切にする文化がある以上、わざわざ一人で孤独に暮らすという事は好き好んでしないようだ。

 

それ故に、マレーシアでは一人暮らしと言う価値観があまり無い。実際、マレーシアで一人暮らし用の物件を探そうとしても、シェアハウスのような物件ばかり。日本のような、こじんまりとした1Kの物件はあまり見かけない。

 

一人でも生きられる国、日本。

家族で協力して生きる国、マレーシア。

 

あとがき:宗教を深く理解する事の重要性と、オススメの本2冊

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もちろん、トレンガヌ州を観光をしたり、美味しい食べ物をたらふく食べたりはしたが、そんな似非インスタグラマーのようなコンテンツは趣味ではない為、割愛。もし興味のある方は、僕のTwitterを眺めてください。いろいろ載せています。

 

 

”文化の違い”という、ふわふわした定義のものを、なんとか言語化してみたが、やはりこういうのは、実際に体験して初めて感動を覚える。

 

もし今後、海外に住む予定のある方は、ぜひ現地の人と遊ぶ事をオススメする。日本人にありがちな、日本人同士で固まる例のあれは、なかなかに退屈だ。

 

日本人で宗教を深く信仰する人は少ないが、宗教とは、人類史を変えた大きなファクターである事は間違いない。

 

個人的に、日本人はもう少し宗教に対する理解を深めるべきだ。そうする事により、宗教がなぜこうも信仰されるのか、という理由が分かる他、今の時代に必要な多様性を身に付けることもできる。

 

以下に、宗教学を学ぶ上で個人的にオススメな本を2冊紹介する。

いずれも有名な本なので、既に読んだことがあるかもしれませんが。。

 

【ビジネス書大賞2020 特別賞受賞作】哲学と宗教全史

 

 

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

 

 

今回、トレンガヌへ招いてくれた友人へ。ありがとう。きっと、Google翻訳を使い、でたらめな英文でこの記事を読んでいる事だろう。

 

次は今年の4月。ハリラヤ(イスラム教の、1ヶ月の断食が終わったあとの祝日)に合わせて、再びトレンガヌへ行きます。お楽しみに。 

 

それでは。

 

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