どうも、ユウト(@Just_Yuto)です。
今日は、日本の子供たちの貧困について書きました。
裕福な国、日本にも貧困は存在する
間違いなく、日本は裕福な国です。
マレーシアに住んでから、より気づかされました。
路上に座り込んでモノを売っている親子。物乞いをする手(もしくは足)のない人。
社会的弱者に対する支援が充実している日本では、絶対にありえない光景。僕たちは、日本人として生まれただけでも恵まれており、そして裕福なのです。
俯瞰して見ると、
「アフリカの子供たちを見なさい。日本の貧困層なんて甘えなんだよ。」
なんていう意見が出るのも、分からなくもない。
しかし、悲しいかな、世界中のどこを探しても、まったく平等な国なんて存在しません。
裕福だなんだ言われる日本にも、日本なりの貧困がある。
- 絶対的貧困:人間として最低限の生活が維持できない状態
- 相対的貧困:その国の生活水準と比較して困窮している状態
その辺にストリートチルドレンや物乞いがいるような途上国は、絶対的貧困が多い。
一方、日本に蔓延る貧困のタイプは、後者の相対的貧困です。
日本に蔓延る、相対的貧困のリアル
年収122万円、月収でいえば14万円以下の家庭が、この相対的貧困に該当します。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2012 年)によれば、日本全体のうち16.1%が相対的貧困状態であると言われています。
つまり、日本の子供の約7人に1人が「貧困状態」なのです。
"7人に1人が貧困"。これは世界的に見ても明らかに多く、G7入りしている先進国の中ではアメリカについで二番目に高い数字になります。
出典:OECD 経済審査報告書
日本の貧困は見えにくい
日本には、"ご飯もろくに食べられない。着る服もない。学校にすら通えない。"といった、ストリートチルドレン的な子供たちは極めて少ないです。
日本の貧困家庭の子供たちは、最低限必要なものは持っているし、ゲームやスマホを持っている子供すらいる。しかし、家庭の経済事情を気にして、課外活動のクラブや塾には参加しなかったり、大学進学を断念したりする。
相対的貧困とは、なかなかに可視化し辛いのです。
中流以上の家庭で育った人では見えにくい。実際に貧困家庭で育った子供たちじゃないと分からない気苦労がある。それゆえに、子供たちの貧困をなくそう活動する人々の多くは、同じく貧困家庭出身者が非常に多いように思います。
たとえば、文部科学省の下村大臣は、幼い頃に父親を亡くし、貧しい生活を過ごします。その後、あしなが育英会による奨学金で進学。「家庭の経済格差が教育格差につながるような状況や貧困の連鎖をなくしたい」という思いのもと、2019年、子供の貧困対策法を成立させました。
このように、日本の貧困問題をなくそうと取り組む人の多くは、相対的貧困の苦しさを知っている人が多く、逆を言えば、中流以上の家庭で育った人には、いまいち「貧困のしんどさ」が認知されていなのです。
貧困が生む、子供の教育格差
収入の低い家庭に生まれた子供は、経済的な理由で、塾や習いごとのような教育機会を失い、学力が低下し、低学歴化します。その結果、じゅうぶんな仕事に就けず、貧困から抜け出せない。
このようにして、貧困とは親から子へ、そして子からそのまた子へと、世代を超えて連鎖する可能性が非常に高いのです。
何も知らず、無鉄砲に「アフリカに比べれば、日本の子供たちは恵まれてる!」だの「戦時中に比べれば、お前らの世代は裕福だ!」だの言っても、相対的貧困は減りません。
苦労人のサクセスストーリーなんかがもてはやされる世の中ですが、貧困状態の子供たち全員が努力さえすれば成功するのか?と言えば、答えはNOです。
実はぼくも、貧困家庭出身
かくいう僕も、7歳の頃から母子家庭の団地育ちです。相対的貧困の中で育ちました。
高校卒業後、工場で働いて、お金を貯めて、英語を勉強して…並々ならぬ時間と労力をかけ、今はマレーシアの大学で留学をしています。
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ちょっと自慢みたいになってしまいしたが、ここで僕が伝えたいのは、自分も当事者として、相対的貧困のリアルや、子供たちのしんどさを知っているという事です。
中には、僕みたいに逆境をバネに出来る人もいます。けど、全員がこんなに行動できる訳ではない事も重々承知です。
そもそも、貧困家庭の中で育った多くの子供たちは、周りより貧しく、十分な体験もさせてもらえなかった為、「自分は人より劣ってるから、何をやったって無理だ」みたいな思考に陥る人がとても多いです。だから、自分に自信が持てず、思い切った行動も出来ない。貧困から抜け出せないのです。
では次に、子供たちを貧困から救い出すためには、何をしてあげるべきなのかを考えてみましょう。
日本の貧困を減らす為にするべき事
十分な教育を受ける機会があれば、優秀な人材になるであろう子供たちが、「貧困」という理由だけでその可能性が失われるのは、あまりにも理不尽な話です。
かといって、貧困家庭の親を責め立てたって、なんの解決にもつながらない。
僕が思う日本の貧困を減らすための最も有効な手立ては、じゅうぶんな教育機会を与える事だと思います。
繰り返しになりますが、学校外で満足な教育体験を受けていない子供たちは、学力が低下します。また、経済的な理由で高校や大学進学を断念せざるを得ない為、いい職に就けずに、貧困が連鎖します。
そこで、たとえば教育機関の無償化や、より充実した教育支援を設ける必要があるのではないでしょうか。デンマークやスウェーデンといった北欧諸国は、待機児童も少なく、学費や医療費も無料ですから、相対的貧困率が低いです。
また、政府だけでなく、僕たち個人も、もっと日本の貧困について向き合わなければならないのではないかと思います。
ボランティアに参加せずとも、「日本には日本の貧困がある」という事実を理解するだけでもいいですし、レジ横にある募金箱に1円を入れるだけでもいいんです。とにかく、この現状に対して無知のままで居続けるのは危険だという事。
なぜなら、少子高齢化が加速する今、日本の明日を担うのは子供たちです。"7人に1人の子供が貧困状態"。この数字を減らせるかどうかで、日本の未来も左右されるのではないかと僕は考えています。
貧困を減らす為に、勉強中です
私事ではありますが、貧困状態の子どもや10代の若者に対して、僕にできる事はないか?恵まれない子供たちに対して、何かいいプロジェクトを立ち上げられないか?などと考えています。
僕とてまだ20代前半のしがない大学生ですから、じゅうぶんな知識も経験も持ち合わせていません。ただ、恵まれない子供たちに教育の機会を与えたい、というぼんやりとした目的と、情熱だけはあります。それは同じく恵まれない子供だった自分にとっての使命だと思うのです。
今はまだ勉強中の身ですが、こうしてる間にも七人に一人の子供たちが貧困の中でしんどい思いをしていると考えると、胸が痛くてたまりません。
ですから、もし些細な提案やアイディア、何かしらのヒントがありましたら、ぜひ僕のTwitter(@Just_Yuto)にて教えていただきたいです。
未来を担う子供たちのためにも、よろしくお願い致します。