「無意識の中にこそ本当の自分がいる」
精神科医フロイトの本に、確かこんな事が書かれていた。
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僕たちの日常で、もっとも無意識になる瞬間。それは、夢を見ている時である。
心境を映し出す、悲しい夢を見た
夢は心境を映し出す。
今朝、僕はひどく怖い夢を見た。いや、怖いというより"悲しい"という表現の方が適切かもしれない。
殺人鬼に追いかけられる夢とか、高層ビルから落下する夢とか、そんな直接的な恐怖を覚える夢なら、わざわざ記事なんか書かない。
自分の存在が認識されない空間
夢で見た場所はたぶん、高校か大学だったと思う。
僕は30人くらいのクラスメイトと共に、教室の中にいた。
どうやら、これからなんらかの試験(?)テスト(?)が始まるみたいだ。けどまだ時間があるから、各々が談笑をしている。
クラス内では既に仲良しグループが出来上がっていて、何やら盛り上がっている。新参者は僕だけだ。だから僕は、彼らに「これからテストだよね?」とか「何の話ししてるの?」とか、どうにか輪の中に入ろうと、話しかけた。
しかし、まったくもって相手にされないんだ。話しかけたって、何の返答もない。
無視されているとか、いじめられているとか、そんな感じじゃない。まるで僕という人間が最初から存在していないんだ。幽霊のような、そんな扱いだった。
聞こえていますか?見えていますか?そんな問いかけが、虚しく響き渡る。
そうこうしている内に、先生がやってきて、テストなるものが始まった。出席をとる時に名前を呼んでもらえたから、おそらく先生は僕の事が見えているんだろう。よかった。僕は確かに存在している。
何の力もない自分に対する無力感
テストはとても奇妙な内容だった。
生徒はボクシンググローブをつけて、ミッド打ちをさせられる。体力測定のつもりだろうか?それが終わり次第、机に座らされて筆記試験を受ける。どんな内容の問題だったかは流石に覚えていない。けど、問題は英語表記だった。
まずは体力測定。一人ずつミッドを打ち、他のクラスメイトは、それを取り囲むようにして盛り上がっている。しかし、全員がすこぶる綺麗なパンチを打つから驚いた。体育会系の男子から、華奢な女子まで、みんな涼しげな顔をしてプロ顔負けのミッド打ちをする。
「ナイスパンチー!」「いいねぇ!」とみんなで盛り上がる中、僕は少し遠くの方から、それを一人眺めていた。
しばらくして、僕の順番が回ってきた。教室内は急に静まり返る。何だこいつら、俺のことが見えているのか?気味が悪かった。畜生。コケにしやがって。やってやる。怒りに任せ、僕はミッドを打った。
でも、何故だかうまくパンチが打てない。体が重く、思うように動かない。パンチは軽く、フォームもめちゃくちゃ。ヘンテコで不格好なのが自分でもわかる。周りは笑いもせずに、シーンとしている。
待ってくれ。こんなはずじゃない。俺はもっと出来るんだ。褒めてくれ。せめて、囃し立ててくれ。そんな僕の思いとは裏腹に、残酷にも、終了のブザーが鳴り響いた。
「クソッ。どうしてみんな出来るのに、俺には出来ないんだ。」夢の中の僕は、そう憤った。
報われない、という恐怖
次は筆記試験。問題はどれも英語表記だ。
しかも、そんな生易しいレベルの英語じゃない。小難しい英単語の羅列に、僕は戸惑う。でも、他のクラスメイトは違った。カリカリカリ…と、なんとも心地の良いペンシルの音が教室内にこだまする。あぁ、どうやら戸惑っているのは自分だけみたいだ。
他のみんなは違う。問題を理解する読解力と、答えまで導き出せる解答力がもうすでに備わっているんだ。絶望し、頭を抱えている奴は、教室中を見渡したって自分だけ。
ひとり。ひとりなんだ。
何なんだ、何なんだよ一体。話しかけても相手にされない。ミッドもろくに打てない。試験だって全然ダメ。
僕に原因があるのだろうか?悪いことなんか一つもしていない。人に優く、真っ直ぐに生きている。それなのに、どうしてみんな僕を見ようともしないんだ?なぜ報われないんだ?まるで自分以外の全員が、僕を置いてどこか遠くへ行ってしまうような感覚だ。待ってくれ。なぜ?どうして?自問自答が続く。
なぜ悲しい夢を見てしまったのだろう
ここで眠りから覚めた。
まだ外は暗かったから、たぶん4時か5時、そのくらいに目覚めたと思う。けど、現在時刻を確認するのが怖くて、どうにか二度寝をしようとした。
それにしても、ひどく悲しい夢を見てしまった。もはやあれは悪夢だ。
二度寝する最中、
「何でこんな夢てしまうんだろう。俺は何も悪い事をしていないのに。どうしてだ?」
と、まどろみながら自問自答をした。
僕の日常を思い出してみる。マレーシアの大学に留学している僕は、決して大学でいじめられているとか、はぶかれているとか、そういう訳ではない。むしろ、みんなとてもフレンドリーに接してくれる。この日だって、寝る直前まで仲良くなったクラスメイトと、あーだこーだとチャットをしていたくらいだ。僕の周りに、意地悪な人は一人もいない。
だからこんな悪夢を見てしまうのも、僕の考え方や心に問題があるんだと思う。
昨日の記事で、僕はこんな事を書いた。
仲の良い友達とて、だ。自分を100%理解してくれる人なんて、まずいない。それぞれにそれぞれの人生がある。会話中にスマホを弄られた時。僕の期待していた反応をしてくれなかった時。「予定がある」と遊びを切り上げられた時。遊び終わった帰り道。僕は何故だか、すごく寂しいと感じる。一緒の空間にいるけど、まるで魂は全く別の場所にいるみたいだ。みんな、どこか遠い所に行ってしまうんじゃないか。僕はここにいるのに。一人じゃない時でも、一人でいる感覚。
賑やかな日常を過ごしているのにも関わらず、どこか孤独を感じてしまうのは、こうした理由がある。
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こうしたリアルな心境が、奇妙な夢として映し出されたんだろう。
同じ空間にたくさんの人がいても、心を通わせていなければ、僕は孤独を感じる。外国人として生きるのであれば、それは尚更だ。
心を通わせるって、そんなに簡単な事じゃない。性格の不一致とか、お互いを知るまでの過程とか、そういう障壁を超えて人は心を通わせる。この障壁を超えていない人に対して、僕は軽々しく友達という言葉は使いたくない。
だからといって、決して人が嫌いな訳ではない。僕は、自分でいうのもなんだけど、人にはとても優しい。友達だって、一人より、二人いた方がイイにきまっている。多ければイイってもんでもないが。。
難しい。考えれば考えるほど、人間関係ってのは難しい。ガキの時分のように、「友達100人出来るかな」なんて歌っていた頃の方が、無知だけど、実はよっぽど幸せだったんじゃないか。変に賢くなってしまった。
太宰治の本に書いていた、「知恵の実を食べると、人間は、笑いを失うものらしい。」というこの一文。僕はきっと、どこかの拍子でこの"知恵の実"を食べてしまったんだ。そうに違いない。だからこんなにむつかしく考えてしまうんだろう。
ここ最近のブログを読んでもらえればわかる通り、僕はあんまり調子が良くない。やれ孤独だ、人間関係だ、悪夢だ、気でも狂っているのかもしれない。
昨日までの生き方が、今日の自分を形作る。
昨日までの自分は最低だったんだ、と否定する訳ではないけど、先週くらいからずっと調子が悪いのにはなんらかの理由が必ずある。気づけただけマシなのかもしれない。
ここで待っていても誰も来ない。あまり考えすぎても体に毒だ。改善しよう。歩き出そう。
今夜はいい夢が見れるといいな。
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